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症例のーと

医学部5年生になりました。ポリクリ実習中です。病気に関する本、実習で勉強したことを書いています。現在コツコツ書き直し中です。

多発性骨髄腫(Multiple Myeloma) 治療 予後 症状

 

 THE GOOD-BYEの加賀八郎さんの奥さんである漫画家の池沢理美さんが書かれた漫画です。加賀八郎さんは元アイドルでベーシストボーカルをされていました。加賀さんは多発性骨髄腫になってしまい、55歳で亡くなってしまいました。

漫画には、結婚された経緯から、多発性骨髄腫の発症、闘病生活、その苦悩や希望などが描かれています。今回はこの漫画を参考に多発性骨髄腫についてまとめてみようと思います。

 


THE GOOD-BYE / 僕らの祈り LIVE

 

私の知っている世代の方ではないので動画で探して初めて曲をききましたが、とてもかかっこよくていい曲です!おひとりで弾き語りされている動画もいい曲でした。

 

☆まず、多発性骨髄腫とは?

・50代の血液腫瘍で最多の癌。(50代で疑う癌は、この多発性骨髄腫か消化管の悪性腫瘍。)

・抗体を産生する形質細胞の癌。

・腫瘍細胞からは、γグロブリン(抗体)がでてくる。

→★赤血球の連せん形成(赤血球はマイナスの電荷、γグロブリンはプラスの電荷をもつため赤血球と一緒に固まる)

 ★アミロイドーシス(γグロブリンは時間がたつとアミロイドになる。それがたくさん臓器に沈着する)

・腫瘍細胞からはIL-6も出てくるため、破骨細胞が活性化し、骨がボロボロになるため、骨の中のCaが溶け出し、高Ca血症

→★腎機能低下(Ca沈着による腎石灰化)、★腰椎骨折、★意識障害など

 

※参考:高Ca血症で神経の働きが低下する理由↓ めっちゃわかりやすいです

ishikokkashiken.com

 

・Bence-Jonesタンパクがみられる。(Bence Jonesタンパクとは、Bence Jonesさんが見つけたタンパクで、尿を56℃まで加熱すると析出し、100℃まで加熱すると消えるという不思議なタンパク。グロブリンの軽鎖のこと。)

ベンスジョーンズ蛋白 - meddic

 

☆鑑別には?

50代で難治性の腰痛ときたら目を見る➡白い:貧血(多発性骨髄腫)、黄色い(すい臓がん)

 

☆治療は?

※65歳より若い場合、

①ボルテゾミブとデキサメタゾンを投与して悪い腫瘍をたたく

(ボルテゾミブ:プロテアソーム阻害剤(腫瘍細胞の細胞分裂を邪魔するごみのような物質を分解するプロテアソームという酵素を阻害するクスリ。これを投与すると腫瘍細胞にごみが溜まりまくって分裂できなくなる。腎障害が少ないので使いやすい)、デキサメタゾンステロイド 免疫を抑制する))

kanri.nkdesk.com

②G-CSFを投与して血球を回復させる。

③メルファラン抗がん剤)大量投与

メルファラン(アルケラン)の特徴と副作用

④末梢血幹細胞移植

 

高齢の方や腎障害などが重い場合、

メルファランの投与。体力の関係で、幹細胞移植はおこなわない。

 

medicalnote.jp

高カルシウム血症、骨の痛みに対して

→ビスホスホネート(破骨細胞の働きを抑制する)の投与、ループ利尿薬(Caを下げるため)を投与する。
☆貧血に対して

エリスロポエチン(腎臓から産生される赤血球産生を促進させるホルモン)、輸血も考慮する。

blog.livedoor.jp

 

ここからは漫画を参考に考えていきます。

【患者さんの背景】

52歳男性

車に犬を乗せようとしたら、腰を痛めてしまった。(圧迫骨折)

安静にしていたが、二カ月たっても具合は悪く、治らない。

息切れがする。(貧血)

食生活は問題なく、薬も痛み止めくらい。この二カ月いろいろ町医者にかかったが、原因がわからない。はやくよくなりたい。

 

【検査結果】

顔面は蒼白、眼瞼結膜は白い。

腰椎に圧迫骨折がある。

血液検査ではCa、Pが高く、汎血球減少している。(赤血球、白血球、血小板‥が下がっている)PTHは低下、ALPは上昇。

X線で打ち抜き像が見られる↓

骨髄塗抹標本で形質細胞が見られる。(核周囲明庭、赤血球の連せん形成が見られる。)

尿検査でタンパク± Bence-jonesタンパク+

電気泳動でM bowが抗IgG抗体、抗λ抗体にみられた。

 

【鑑別と評価】

♯多発骨髄腫

♯腰椎圧迫骨折

鑑別疾患には、線維筋痛症椎間板ヘルニア、癌の骨転移、骨関節炎などがある。神経の検査では異常はなく、痛みは骨に限局しており、骨の打ち抜き像、骨髄標本で形質細胞が30パーセント以上みられ、M bowもみられることから、多発性骨髄腫と診断した。免疫電気泳動の結果から、IgG型多発性骨髄腫と思われる。

 

【治療方針】

高カルシウム血症では意識障害の出現と腎障害が今後悪化する可能性があるため、高カルシウム血症と骨の痛みに対してビスホスホネートの投与、ループ利尿薬を投与する。

貧血に対してはエリスロポエチンを注射する。場合によっては輸血も考慮する。

50代なので末梢幹細胞移植を考える。(※参照)

腰椎の圧迫骨折に対しては、サポーターなどの処置を行う

 

☆病期分類

www.ncbi.nlm.nih.gov

ISSという病期分類がある。アルブミンが低く、β2ミクログロブリンが高いほど、予後が悪いらしい。簡便な分類法。

 

 

☆参考、関連

・国家試験問題のリンク109D-40

109D-40 : D問題 | iCrip

 

多発性骨髄腫の予後と5年生存率~医学的な病状の見通し~

まだまだ予後は厳しいようです。しかし新しい抗がん剤がでてきているので、また変わってくる可能性はあります。

皮膚アミロイドーシス(ひふあみろいどーしす)とは?〜皮膚の病気〜

アミロイドーシスの合併が疑われた場合、皮下組織の生検を行います。

www.bms.co.jp

多発性骨髄腫に対するがん免疫療法薬「エロツズマブ」の日本における製造販売承認申請がされたようです。

 

www.msd.co.jp

キイトルーダという新しい抗がん剤が多発性骨髄腫についても臨床試験が開始されているようです。。

www.takeda.co.jp

 

☆患者さんの会、ブログ

日本骨髄腫患者の会

最新の医療情報についても更新されていました。

 

冒頭の漫画の作者さんのブログです。

ameblo.jp

 

 

この方は臍帯移植をされているようです。とても前向きです!

blog.goo.ne.jp

 

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