読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

症例のーと

医学部5年生になりました。ポリクリ実習中です。病気に関する本、実習で勉強したことを書いています。現在コツコツ書き直し中です。

ネフローゼ症候群とは? 聖の青春 村山聖さんの一生 腎疾患分類 覚え方

 

聖の青春 (角川文庫)

聖の青春 (角川文庫)

 

天才棋士村山聖(さとし)さんの一生を描いた小説です。昨日の夜読みました。

 

聖さんは幼少期ネフローゼ症候群になり、病院のベットの上で将棋に出会います。

なぜかはわからないけれど、心をときめかせてくれる将棋。強くなりたい、それだけを願い、病と闘いながら、どんどん上へ上へと昇級していきます。

 

将棋界は厳しくて山あり谷ありいろんなことがあるけれど、師匠、友人や家族と自分なりに関わったり、大人に対する不信感、命を削っても名人になりたいという強い気持ち、年下や弱い人に対するやさしさ‥色々な感情を抱えつつ、まっすぐ生きる姿勢に心を動かされました。

さいごは腎臓癌を発症、亡くなられました。

 

 去年映画化もされてます!松山ケンイチさんが主演をつとめられています。まだ見れてないのですが‥いまめちゃくちゃ見たいです!

将棋のルールは全くもってわからないので、駒の動かし方の鬼気迫る感じとかが完全にはつかみきれなかったのですが、どこまでもまっすぐな姿勢に感動しました。

 

今回はこの本を参考にしつつ、ネフローゼ症候群についてまとめてみようと思います。

 

ネフローゼ症候群って?】

糸球体が障害を受けて、①タンパク尿(3.5g/日以上)、②血清アルブミン+タンパク低下(3g/dl 6g/dl以下)、③浮腫、④血清の総コレステロールの上昇(200mg/dl以上)が見られる疾患の総称。(上記は成人ネフローゼの重要項目。①と②は必須項目。③、④は必須項目ではない。小児は診断基準がちょっとちがう)

 

どういうことかというと、

糸球体に補体や抗体(IgG、IgA)がくっつき、血管(糸球体)がボロボロになり、本当は分子が大きすぎて出れないはずのたんぱく質がどんどん尿に出て行ってしまう。【タンパク尿の出現、血清タンパクの低下】

→血の中のタンパクが減ったことで血の浸透圧が下がり、体の細胞の方へ水が移動【浮腫】

→血の中のタンパク(アルブミン)が減ったことで、アルブミンなどタンパクを作っている肝臓が頑張ることで、肝臓が作っているコレステロールがあがってしまう。【コレステロールの上昇】

→タンパクが足りないので、抗体なども作れなくなり、風邪をすぐ引いたり、重症化したりする【易感染】

 

☆ここからが超わかりにくいところなのですが、ネフローゼというのはこういう症状でますよ、という名前というだけなので、病因による診断名にはなりません。つまりネフローゼになる病気には色々あるということです。

村山さんの場合はネフローゼとしか、頑張って調べても書いていなかったので、ネフローゼになりうる疾患をまとめてみようと思います。

 

【鑑別疾患】

・微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)「小児(80%はこれ)、若者に好発 ステロイドが効くことが多い タンパク尿(アルブミン) 血尿が出ることは少ない 再発も多い」

・IgA腎症、紫斑病性腎炎「若年に好発 たまたま健康診断で指摘 無症候性血尿 メザンギウムにIgA沈着」

・巣状文節性糸球体硬化症(FSGS)「若年に好発 慢性の経過をたどる ステロイド抵抗性 予後は悪く20年で半数以上が腎不全へ」

・膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)「若年に好発 二次性の場合(高齢者の方)HCVなど疑う ステロイド抵抗性 予後は悪く10年で半数が腎不全」

・溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN)「2週間前に扁桃炎などの既往 Ⅲ型アレルギー(免疫複合体)→好中球浸潤と補体(Hump)→血管を押す→血尿」

・膜性腎症(MN)「癌、SLEなどと合併 高齢の方に好発」

・ループス腎炎「SLEと合併 二次性腎症」

・糖尿病性腎症「糖尿病と合併 二次性腎症」

・アミロイド腎症「アミロイドーシスと合併 二次性腎症」

・先天性ネフローゼ症候群

‥かなり多いですが、本から抜き出した情報から整理していこうと思います。

 

【病歴】

3歳の夏に山登りした後の夜に激しい高熱が出現。市販の解熱剤で熱を下げたが一時的に下がるだけですぐにぶりかえした。

その後からしょっちゅう熱を出すようになった。5歳の誕生日を迎えたばかり(6月)にはしかを発症しひどい高熱に襲われる。はしかが治った後も元気はなかった。

その後初夏に急に顔と体がむくんできたため受診、その後入院。

入退院を繰り返し幼少期は病院などで過ごす。

13歳で一人森師匠のいる大阪へ。熱で体調がすぐれないときは自宅で寝ることで体力を回復。成人してからは上京。以後も体調によって入院を繰り返す。

27歳の時血尿を自覚。

28歳で腎臓機能不全、膀胱にポリープの存在を確認。膀胱がんと診断され4月に入院。6月に膀胱、前立腺全摘術を受ける。再発防止のための抗がん剤放射線治療は本人希望によりおこなわなかった。

29歳の2月に再発の宣告を受ける。(その直後羽生さんとのNHK杯決勝)4月にMRI検査で転移巣を認めたため、入院。8月に亡くなる。

 

【推理】

※4年生の知識で推測のもと書いています(正直生検結果がわからないと鑑別できないです)

好発年齢や、3歳の高熱以降易感染性が出現していること、その前までは健康であったこと、血尿はなくタンパク尿と浮腫が主症状であったことから、微小変化型ネフローゼ症候群が考えられる。

また易感染性は成人の時も続いていたので、再発またはステロイドによる副作用によるものと考えられる。

また膀胱がんのリスクは、喫煙、職業性発がん物質暴露、慢性尿路感染症があるが、ステロイド治療やネフローゼによる易感染性のため、慢性に尿路感染症を繰り返し起こした結果、膀胱がんが発症したと考えられる。

 

 

やっぱり腎臓の分類はめちゃめちゃおぼえにくいです‥。血尿なのかタンパク尿なのか急性なのか慢性なのか、予後がどうなのかで分けて頑張って覚えていくしかないみたいですね。腎臓の試験のときは、以下のブログを参考にして覚えました!ありがたいです

tsunepi.hatenablog.com

書いていたら腎臓のいい勉強になりました!

腎臓の疾患は通院が大変な透析に移行したり疾患によって予後が悪いこともあるので、、かなり診断が重要です。頑張って勉強していきたいです。

 

【参考】

ネフローゼ症候群: 腎臓のろ過障害: メルクマニュアル 家庭版

がん診療ガイドライン│膀胱がん│診療ガイドライン

 

にほんブログ村 大学生日記ブログ 医大生へ
にほんブログ村